1.2.2 TOEFL/IELTS - IELTSに決めつける必要なし。

(2) TOEFL/IELTS - IELTSに決めつける必要なし。

 英語力については、MBAを海外で勉強するわけだから、大学ごとに最低限必要な点数が要求される。英語力を評価する試験で世界的に有名なのものに、TOEFL(念のため確認だが、TOEICではない)、IELTS、ケンブリッジ検定という3種類があるが、MBAについては言えば、TOEFLとIELTSだけと考えて問題ない。そして基本的には、TOEFLはアメリカ大学向け、IELTSはイギリスやオーストラリア大学向けである。私のようにアメリカの大学を目指しTOEFLの勉強しかしていない人が、途中からIELTSに切り替えるのはかなり難しいので、あらかじめその事実は知っておいて欲しい。ということで、まとめるとオーストラリアの大学を受ける場合は、IELTSの勉強が必要である。ちなみに、オーストラリアMBAの場合、多くはIELTS6.5から7.0点以上が求められる。さて、アメリカの大学との最大の違いなのだが、オーストラリアではこの6.5点や7.0点というのが「必達点」であるという点である。例えば、アメリカMBAの場合、TOEFL最低90点と記載があっても、90点未満でも出願はできるし、(勿論あまりにも低ければ合格できないが)他の要素(例えば、すごい高いGPAなど)で挽回できる余地もある。少なくても選考過程に進むことはできる。しかし、オーストラリアでは最低点数は(本当に)必達点であるので、例えば6.0点では合格できないし、選考には進めない(ただし、条件付き合格という制度はある。詳細はこちら)。絶対に必要な点数=必達点しか書かれていない点が最大の違いであり要注意である(ちなみにGMAT等も同じ)。とは言っても、アメリカの有名大学のようにTOEFL110点以上などに比べれば、IELTS6.5以上というのはTOEFLでいうと90点程度なので(ただし、大学によっても異なるので要注意)、最初から基準は低めとも考えられる。なお、ご存知の方も多いと思うが、TOEFLとIELTSの違いを下記に簡単にまとめるておく

[IELTSとTOEFLの概要]

  • IELTS

所要時間:全部で約2時間45分
形式:筆記式のペーパーテスト
スピーキング:面接官との1対1のインタビュー形式

  • TOEFL

所要時間:約4時間~4時間30分
形式:インターネットテスト(1人1台のパソコンで回答)
スピーキング:コンピュータに向かって回答し、録音される

 さて先ほど、オーストラリアMBAではIELTS!と述べた矢先ではあるが、今では(2017年時点)、オーストラリアの大学のほとんどでTOEFLも認められており、同様にアメリカの大学でもIELTSが認められている。つまり、どっちのテストでもいい。そこで考えたいことが2点ある。
 1つ目は、どちらのテストの方が短期間で必要な得点を獲得できるかということである。最初からアメリカならTOEFL、オーストラリアならIELTSと決めつけず、どちらが自分にとって点数が取れそうか比較してから勉強をはじめるべきということである。なぜなら、どちらも一度始めると1年、場合によっては2年位の長期の勉強時間が必要になる試験であるため、最初の選択を早急にすべきではないと思う。ただ、どちらの方が点数を獲得しやすいかは、個人によって異なるため、どちらか一方をお勧めすることは難しく、あくまでも「両方とも一度は受験してみて決めるべき」としか言えない。ちなみに私の場合は、リスニングとリーディングはIELTSの方が簡単と感じ、スピーキングは、対面での会話に慣れていなかったためTOEFLの方が簡単だと感じた。
 2つ目は、TOEFLの必達点にばらつきがある点に注意が必要である。先ほども述べた通り、オーストラリアMBAの基準点は、IELTS6.5か7.0点以上であるが、TOEFLの基準点は、大学によってばらつく。以下、主なオーストラリアMBAのIELTSとTOEFL基準点をまとめたものである(2017年時点)。例えば、IELTS6.5点の大学でも、TOEFLの点数は79点から90点まで開きがあることが分かると思う。おそらくこれは、各大学でIELTSと同等と考えるTOEFL点数が異なるためと推察される。ポイントは、TOEFLを一度でも受験した人なら分かると思うが、数点違うだけで難易度は極めて大きく違う。よって、TOEFLを受験する人は、まず取得すべき目標にばらつきに注意してほしい。また点数に苦労している人は、比較的TOEFLを低めに設定している大学も注目である。(なお、結構頻繁に情報が変わるので、下表に記載の情報を活用する際は、ご自身でもご確認頂きたい)

IELTS基準点:7.0点以上
TOEFL 必要点
Melbourne Business School
102点以上
University of Western AustraliaUWA
100点以上
AGSM at UNSW Business School
94点以上
IELTS基準点:6.5点以上
TOEFL 必要点
Maquarie UniversityMGSM
90点以上
Queensland University of TechnologyQUT
90点以上
University of Wollongong
88点以上
University of QueenslandUQ
87点以上
La Trobe University
80点以上
Griffith University
79点以上
Bond Univeristy
79点以上

 とにかく重要なことは、アメリカでもオーストラリアでも、英語の点数は、基準点を超えていればOKであり、満点を狙うものでもなければ、海外生活で必要な(本来の)英語力を高めるものでもない。あくまで、入学に必要な試験の一部である。目標の点数に早く到達できるかどうかが、どちらの試験を選ぶかの重要な要素である。

投稿者 TOMO

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