The BIM Manager

The BIM Manager -BIMプロジェクト管理のための実践ガイド- を読んで大事だと思うキーワードや内容を自分への備忘録でまとめてみました。本がないとなんのことか?ですが、もしテストとか受けるのであれば参考にしてください。

1章 序論

2D/3D CAD とBIMの違い
・2D:3D CAD: デジタル、基本的に手作業、静的
・BIM:デジタル、オブジェクト指向、パラメトリック、動的

BIMピラミッド:多層的な性質と対応する活動領域(マネージメントの3つの機能面)
・1層(上層):建物ジオメトリ(3次元の幾何学形状)、主にBIMAuthor(BIM作成者)担当
・2層(中層):情報コンテンツ(オブジェクトデータ、プロパティ)、主にBIMコーディネーターが調整等を担当
・モデル情報を外部で管理するアプローチ=モデルコンテンツ管理MCM(Model Contents Management)
・MCMプラットフォーム:モデルコンテンツに関連するすべての作業と修正を追跡し、誰がいつどのような変更を行ったかを完全に記録するもの
・3層(下層):プロセス管理(デジタルワークフローの確立、変更管理、品質管理、幅広い作業の割り当て、進捗管理、報告)、主にBIM Manager(マネージャー)が担当

CDE(Common Data Environment):共通データ環境(第9章で詳細をまとめる)

Littel bim → Transition BIM → BIG BIM
・Littel bim:単一の組織内など限定的な範囲において他の関係者とモデル交換を行わないで実施するBIM
・Transition BIM:プロジェクト内でその場限りのモデル交換として実施するBIM
・BIG BIM:モデルを中心としたワークフローによるプロジェクト全体のコラボレーションで実施するBIM、最終目標

BIM仕様書(BIM Specification) > BIMガイドライン(BIM Guideline) > BIM実行計画(BIM Execution Plan)
・イギリス:EIR(Employer Information Requirements):発注者情報要件
・他国:BIM概要書、仕様書、プロジェクト情報要件PIR(Project Information Requirements)

 

2章 基本的な考え方と原則

BIMオブジェクトの表現
・BIMはプロジェクトのさまざまな段階で、これらのオブジェクトをどのように表現し、伝達するかを決める必要がある
1:モデルのユースケース:21個のユースケース(ペンシルべニア州立大学BIM Execution Planing Guide Ver.2 2011)
2:プロジェクトのフェーズ:概念設計、DD、CD、入札、施工、運用等
3:アクター(関係者)(役割):設計屋者、プロジェクトマネージャー、オーナー、コストプランナー等

LOD
・LOD(Level of Development)=LOG(level of Geometry)+LOI(Level of Information) ≒ LOIN(Level of Information Needs)
・LOG(level of Geometry):モデルの幾何学的表現のみの詳細度(US-AIA100-400規定使用)
・LOI(Level of Information):モデルのオブジェクトデータのみの詳細度

4D及び5D
・4D:3次元の幾何学的モデル+時間軸情報
・5D:3次元の幾何学的モデル+時間軸情報+コスト軸情報

成熟度(過去はレベル、今はステージという言い方をしている)
・ステージ0 アナログ:非構造化情報
・ステージ1 構造化情報(2D/3D)
・ステージ2 連携情報モデル(コンテナベース)
・ステージ3 データベース型情報モデル

BIMの成長プロセス(デリバリープロセス)の経緯
・BS(British Standards)英国規格協会(日本でいうJISのようなもの)
・PAS(Publicity Available Specifications)
・ISO19650-1(Part1の意味)概要
・ISO19650-2(Part2の意味)主要な内容が書いてある、、、Part5くらいまである

BIMの成長プロセス(デリバリープロセス)、ISO19650
・PIM(Project Information Model):プロジェクト情報モデル:計画および建設中のプロジェクト情報モデル(形状モデル、情報コンテンツ、一般的なドキュメント)
・AIM(Asst Information Model):資産情報モデル:施工完了後運用中の資産情報モデル(建築ドキュメント、非グラフィカル情報、グラフィカル情報)
・PIMとAIMのすべての共同作業(データ作成、交換、レビュー、通信)はCDE内で行われる

 

3章 openBIMbuildingSMART標準

closed BIMとopenBIM
・closedBIM:例)word(ネイティブアプリ)で編集する
・openBIM:例)それをpdfに出力する(編集はできないが、ネイティブアプリがなくても開ける)

IFC(Industry Founation Classes)
・BIMをClosedBIMからopenBIMに交換する変換標準、buildingSMARTがIFCスキーマの開発を行う
・IFC:プロジェクト情報(オブジェクト定義、形状や属性情報など)を転送するための情報コンテナ
・MVD(Model View Definition):上記のコンテナから、ユースケース要件を満たすために、特定のビューを策定するもの(IFC2×3等)
・IDM(Information Delivery Manual):上記MVDを作成する際、BIMデータ交換プロセスであるプロセスマップ(BPMN:ビジネスプロセスモデリングなどの手法)や情報交換要件からなる(ISO29481シリーズで標準化が検討されている)
・bSDD/IFD(buildingSMART Data Dictionary/International Framework of Dictionary):用語の分類や辞書(Google翻訳のような機能)

・BCF(BIM Collaboration Format):元々2009年にTekla、Solibri社によって開発されたもの。WhatsApp for BIMアプリのようなコメント等の共有手法。BCFは、グローバル識別子(GUID)によってモデル内の対象オブジェクトを識別する。BCFサーバ:APIを使用して、個々のBCFファイルを転送することなく、BCF対応ソフトウェア間で直接通信するオンラインアプリケーション。

上記利用全体の流れ
各フェーズでの情報連携シナリオ→IDM→MVD→ソフトウェア実装→IFCソフトウェア認定

buidingSMART Internationalの3つのコアプログラム
1:ユーザープログラム:現在および将来のニーズを特定する目的として業界に働き掛けます。標準規格および活動に関する情報への一般公開、業界向けの情報源
2:標準化プログラム:中核的な活動で、標準と製品、技術仕様、ガイドラインを担当
3:コンプライアンスプログラム:ソフトウェアの認証、プロフェッショナル認証等を担当

 

4章 使用されているopenBIM標準規格

・IFCスキーマ=データ構造または仕様
・IFC=オブジェクト指向で3つを定義する
・ObjectDifinition:オブジェクトの定義
・IFC Relationship:オブジェクト間の関係性
・IFC PropertyDefinition:プロパティ

IFCのファイル形式
・IFC-SPF:EXPRESSデータモデリング言語のテキスト形式(通常、利用されている)
・IFC-XML:XML形式
・IFC-ZIP:各ファイルのZIP形式

IFC2×3とIFC4(MVDの具体的なバージョン)
・IFC2×3(2007年に公開)Coordination View V2.0の後続としてIFC4(2013年にISOになった)
・Structural Analysis View
・Basic FM Handover View
・IFC4 Reference View(参照ビュー):一般的なモデルの交換と調整のためのもの
・IFC4 Design Transfer View(設計情報伝達ビュー):編集する可能性がある、より詳細な交換を想定

COBie(米国、The Costruction-to-Operation Building Information Exchange)
・PIMからAIMへの情報伝達内容を定義するもの(建物の施設情報)

 

5章 BIMの導入(戦略とガイダンス)

BIM導入の障壁
・生産性の低下
・高いコストと低い投資収益率(ROI)
・ワークフローの混乱や中断

変化を実施するための4つの側面
・ポリシー(ビジネス運用、方針・事業内容)
・プロセス(業務プロセスの見直し、会社のガイドライン)
・人材(役割と能力)
・テクノロジー(リソース、トレーニング、ソフトウェアの相互運用性)

BIM導入マトリクス
・縦軸に「戦略、戦術、運用」、横軸に「ポリシー、プロセス、人材、テクノロジー」を配置し、左上から右下に流していくのが理想

BIM成熟度マトリクス
・BIMに関する実施能力を自己評価するための方法

プロジェクトの経験>ソフトウェアの経験
・プロジェクトを知らなければBIMを使いこなせない

BIMガイドラインとパイロットプロジェクト
・パイロットプロジェクトでビジョンを機敏に実行する→ビジョンに再び反映され、より強固な自社のガイドラインを作成することができる

 

6章 プロジェクトの定義と計画

上位レベルから順
・国際標準
・国内ガイドライン
・企業のBIM戦略とBIMガイドライン
・BIM仕様書(BIM Specification)
・MPDT(Model Production Delivery Table):モデル作成管理表で、誰が何を、いつ、どの程度の詳細度で生成するかを定義する
・BIMガイドライン(BIM Guideline)
・BEP(BIM Execution Plan)BIM実行計画書
・実行計画の4つのステップ(ペンシルべニア州立大学Penn State BIM Project Execution Planning Guide)
ステップ1:プロジェクトの各段階でBIMの目的や用途を特定する(BIM利用評価マトリクス等を利用)
ステップ2:プロセスマップを作成しBIM実行プロセスを計画する(IDMと同様の手法で作成)
ステップ3:BIM成果物を情報交換(Information Exchange)の形式で定義する
ステップ4:BIMを提供するサポートインフラの定義(情報基盤整備)

プロジェクトの要件定義
・ステップ1:プロジェクト要件
・プロジェクト要件定義のためのガイダンス
・ステージ1:オーナーの観点から、建物ポートフォリオ全体にわたる組織にとっての要件
・ステージ2:機器の設置日などがBIMから分かるようにする必要がある
・ステージ3:プロジェクトの進捗状況に関するレポートの提供等
ステップ2:BIM支援プロセス
ステップ3:BIM成果物

ISO19650における流れ(BIMデリバリープランの詳細)
OIR(組織的情報要件)
↓                    ↓
PIR(プロジェクト情報要件)       AIR(資産情報要件)
↓設計・施工段階             ↓運用と管理段階
EIR(交換Exchange・元は発注者Employer情報要件)

PIM(プロジェク情報モデル)      AIM(資産情報モデル)
*ゼネコンに主に関係するのがEIR

 

7章 プロジェクトのセットアップと納品

単一モデルと重ね合わせモデル
・単一モデル=ネイティブモデル=中央モデル=単一モデル神話
・重ね合わせモデル=openBIMの基盤(より多くのコミュニケーションと調整が必要)
・外側:ネイティブ環境
・外側と中央の間の領域:交換環境(BIMプロジェクト管理の3本柱:モデル共有、レビュー、調整)
・中央:コラボレーション環境=協働作業環境(共通データ環境)=プロジェクト管理の「エンジンルーム」

オブジェクトの識別
・グローバルな一意な識別子(GUID)
・クラス > タイプ > インスタンス - プロパティー値(外部リンク)
プロパティ定義はBIMの分野ではほとんど無視されてきたが、注目されてきている
・英国:Uniclass:ドアを29クラスに分類
・米国:OmiClass:ドアを211クラスに分類
・製品データテンプレート(PDT/PDTs:Product Data Template)
・製品データシート(PDS:Product Data Sheets)

オブジェクトライブラリー:「できる限り少なく、必要なだけモデル化すること」
・メーカーオブジェクト(Manufacturer Objects)
・ジェネリックオブジェクト(Generic Objects)(推奨)

相互運用性(インターオペラビリティ―)
同じ組織内でのファイル交換と、外部の組織とのファイル交換の両方の交換がある
・必要な情報だけをEXPORT
・命名規則(複雑な命名規則を設けない)、フォルダ構成、モデルサーバー
・リソース(共有フォルダ、外部ドキュメント、オンラインチュートリアルや無償のアプリケーションへのリンク他)

 

8章 役割と責任

戦略、戦術、運用
戦略面:経営陣は社内のBIMの戦略的方向性を示す必要がある
戦術面:BIMマネージャーが戦略に従い、戦術的な方向性を指導する
(ガイドライン、一般的なプロセス、プロジェクトのテンプレート、技術的な質問やトラベルシューティングの作成)
戦術面:IT(CAD)マネージャーは、すべてのソフトウェア、ハードウェア、及びITシステムのインストールと運用を担当する
運用面:設計者、技術者、施工マネージャーなどのエンドユーザー(モデル作成などを行う)

BIMマネージャー他の役割
発注者      :BIM推進責任者
設計コンサルタント:BIM監視員
元請       :BIM Project Coordinator(プロジェクトコーディネーター):BIMプロジェクトの戦略的な調整と管理を行う
テクニカルコーディネーター:BIM Coordinator(BIMコーディネーター):BIMモデル間の調整や問題解決をする
設計者、設備エンジニア、構造エンジニア、見積エンジニア:BIM Manager(マネージャー)、BIMコーディネーター、BIM Author(BIM作成者)

BIM Project Coordinator と BIM Manager の違い
・BIM Project Coordinator:90%が外部との共同プロジェクトに従事する
・BIM Manager:70%が組織内での社内活動に従事する

5つの活動グループ
1:モデル(およびモデル)の作成  :BIM Author and BIM Manager
2:モデルデータのエクスポート   :同上
3:モデル提出、品質チェック、調整 :BIM Coordinator
4:プロジェクトの調整       :BIM Project Coordinator
5:データの提出と検証       :BIM監視員

プロジェクトにおける企業のBIMの役割
各メンバーの役割(主要な役割はBIMマネージャー、コーディネーター、作成者)と能力を把握する必要がある

BIM ready(BIM 準備トレーニング)
・BIM マネジメント:5日間のトレーニング
・BIMコーディネーション:モデルの品質管理、特に調整と情報交換に関する5日間のコース
・BIMオーサリング:ネイティブ環境でのモデリングと調整に重点を置いた10日間のコース

 

9章 BIMプロジェクトマネージメント

・CDE(Common Data Environment):共通データ環境
以下の4つのサブドメインまたはステージ(ステータス)で構成される。
1:作業中(Work in Progress):ネイティブオーサリング環境で作業する領域(他のタスクチームからの閲覧やアクセスができないようにする)例)個人PC内
2:共有(Shared):ファイルをレビュー、調整、検証のためにファイル交換できる領域 例)チーム内や社内で共有されるファイル
3:公開(Published):公式に承認されたドキュメントが置かれる場所 例)社外や施主を含めた広い場所で共有されるファイル
4:アーカイブ(Archive):古いバージョンのドキュメントとモデルが保存される領域

・CDEの主な特徴と利点
・ドキュメント管理
・情報のやりとり
・BIMコレボレーション
・ワークフロー管理
・検査・チェックリスト
・レポートと考察
・運用・保守への引き渡し

MCM(Model Contents management)
・コミュニケーションとプロセス管理
・情報管理:複数の視点を持つようにする
・責任分担表

 

10章 まとめ

ビックデータ、データ解析、クラウドコンピューティング、アプリを使った働き方という4つのトレンドに注目すべき。

以上

 

 

 

 

 

 

投稿者 TOMO

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