1.1 MBAの費用(コスト)とは一体何か?

1.1 MBAの費用(コスト)とは一体何か?

まずは費用対効果のうち「費用」について見ていきたい。さてMBAを取得するのにどんな「費用」がかかるのだろうか。確か会計学の最初の授業で教授に質問されたことである。一体MAB取得にどんな、そしてどれくらいの費用がかかっているのかしっかり把握することは、MBA卒業後の目標をより的確に掴むための土台になる。とりあえず分かりやすい(金銭化しやすい)費用を思いつくまま並べてみても、受験のための予備校費用、各種試験代、引越費用、渡航費用、保険代、授業料(入学料を含む)、テキスト代、住宅費用などなど多数ある。さらに、MBAの費用で無視できず、むしろ重要かもしれないのが「見えにくい費用」である。例えば、もしMBA取得など考えずに日本で普通に1〜2年間働いていたら得られたであろう便益、機会費用などがそれにあたる。給料やボーナスはもちろんのこと、昇進できたかもしれない機会、日本の友人に直接会う機会、簡単に病院に通える機会などだ。同様にMBAの受験勉強にかかる「時間」も見逃せない。MBAを目指している、あるいはMBAを取得した人なら誰でも分かると思うが、受験までにTOEFLやGMATに費やす時間は相当なものである。その時間があれば本来であればできたであろう業務、参加できたであろうイベント、他の何かのための勉強(の機会)も費用と言える。例えば私も、同時期に取得したいと考えていた資格の取得を諦めた。

 

まとめると、MBAの費用はとにかく多岐に渡り、全てを網羅するのは困難であるし、そこまでは必要ないと思うが、少なくてもMBAの期間に得られたであろう給料やボーナスくらいはしっかりと費用として考慮すべきである。ちなみに会計学の教授も指摘していたように、留学先での飲食費や住宅費は本来そのまま費用とし計上するのではなく、その差額分を計上すべきである。なぜならば住宅費は日本で住んでいた場合でも発生する。ただしオーストラリアの食事代の方が日本の食事代よりも高くなれば、その差額は費用とすべきだ。同様に住宅費も、日本でも住宅費はかかっていたはずであるので、オーストラリアでの費用が高くなった場合その差額のみを費用とすべきである。(間違いなくオーストラリアの方が全て高いので、間違いなく幾らかの費用は計上させると思うが)

社費留学と私費留学

さてここで日本人で海外MBAを取得する人を大きく2つの分類に分けると、会社から金銭的な支援を受けているいわゆる「社費留学」と、支援を受けていない「私費留学」に分類できる。あなたがどちらのタイプかどうかで費用とすべき範囲が少々異なる。

ただ説明の前に、私のような「社費留学」について若干誤解を解いておきたいと思う。社費留学の場合、上記で説明したような費用のほとんどは考慮しなくて済むと考えられているかもしれないが、全くそうではないこともある。社費留学にも様々なタイプがあり、例えば私の場合は、MBA留学中も給料は出るため、その機会費用は除外できる。しかし、その他の費用は会社が私個人に「貸与」(貸し付ける)してくれるものであり、私は会社に借金をすることになる。私の会社では卒業後10年間でその借金が徐々に帳消しになる制度である。そのため卒業後5年目で会社を辞職した場合、その金額の50%分を負担しなければならない。つまり10年間会社にい続けなければいけないという、大きなリスク(途中で会社を辞めてより給料の高い会社に転職する機会、起業する機会など)がある。

もちろん、会社によっては貸与ではなく、純粋に支給してくれる会社があったり、卒業後に10年などといった制限が全くない会社もあるため、その場合には費用の心配はかなり低減する(それでも機会費用はやはり存在するが)。ちなみにオーストラリアの現地生徒に聞いたところ、多くの会社でMBA卒業後2年間は勤務を継続する契約をしているようだ。私の会社では10年間という規定があると言ったら、ほぼ全員から「ありえない」という反応が返ってきた。さて、ここからは費用の具体的な中身について更に説明を進めていきたい。

 

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