マッコーリーMBAに入学する前に知っておくと良いこと(初編)

まずは授業の種類や時間割について説明したいと思います。最初週に全体のオリエンテーションが開催されるのそこで各種の説明があるのですが、正直それだけでは得られないことはとっても多い。もっと早くに知っていたら、もっと効果的にMBAを過ごせたのにーということも沢山あるので、私なりのTipsをここで紹介したいと思います。また、もしマッコーリー以外のMBAを検討している人も、オーストラリアのMBAの授業の雰囲気やスケジュールの組み立て方に関してはきっと役立つはずですので、ぜひ参考にしてみてください。では早速1番目から!

 

(1)MBA授業の種類

まずはMBAの授業には、Coreと呼ばれる「必須科目」とElectiveと呼ばれる「選択科目」、そしてそれ以外の「特別科目」の大きく3つに分類できる。日本の大学と同じで、必須は科目は全員が全体に履修しなければ卒業できないもの。選択科目は、多くの講義の中から自分の興味があるものを自分で選択できる科目のこと。特別科目については、またこのサイトの別ページで詳しく紹介していこうと思いますが、例えば他の大学で講義を受けうExchnage programなどがあります。MGSMでは、卒業までに履修すべき科目をCreditで管理されており、卒業要件は全体Credit Points: 64であり、内訳はCore: 40、Electives: 24です。ただ1科目は4 creditsなので、(分かりやすく)科目(講義)数でいうと以下が卒業要件。なお、16科目を2年間で取得するのが基本的な履修モデル(スケジュール)。ちなみに、MGSMの場合は日本の大学院とは異なり、最後に研究室に配属して研究論文を書いたり、研究成果を発表する必要はありません。最後の講義が終わり、基準以上の成績をクリアすればそれで卒業になります。

「卒業に必要な科目数」は:

必須科目:10科目

選択科目:6科目

合計:16科目

 

さて、1科目の学習期間は約3ヶ月(実際は10週間)です。そのためMBAのタームのイメージは1月から3月までの1st Term、4月から6月の2nd Term、7月から9月の3rd Term、10月から12月の4th Termの4つのタームという感じ。ただし先ほど述べた通り、実際は各Termは3ヶ月ではなく10週間であるので全部足していくとわかると思うんですが、1月から11月で終了します。下図が実際の2018年のTermが分かるカレンダーです。ちなみに各Term間には1週間の休みがあり、12月は1ヶ月の長期休暇があります(ちなみにオーストラリアでは12月は真夏です)。なお、アメリカでは8月とかにSummer holidayが2ヶ月程度ありますが、こちらは年間を通して長期休暇が1ヶ月しかない点はちょっと残念かもしれません。さて、2年間で8 Termあるので、1Termあたりに必要な科目数 は(16 ÷ 8 =)2 科目になります。つまり、1Term中に履修すべきなのは2科目だけ。そして各科目の授業は基本的には週一回しかないため、一週間に2回だけ講義に出席すればいいということになります。少ない!というのが最初の印象だと思いますが、これはあくまでも講義に出る日数だけの場合であって、大学に行く日はそんなに少なくないです。実際にどれくらいの勉強量が必要なのかについては後半で説明していきたいと思います。

(2)キャンパスの場所と時間帯

講義は主に2つのキャンパスで受講できる。1つは本校であるNorth Rydeキャンパス。もう一つがシドニー中心街(CBD)にあるCBDキャンパスです。(ちなみに実際には香港キャンパスもあるが、少々マイナーなので説明は省略します)

時間帯による分類も重要です。基本的にNorth Rydeキャンパスには、午前9:00から13:00(4時間)までのDay classと午後18:00から22:00(4時間)までのEvening classの2つがあります。そしてCBDキャンパスは仕事が終わった後のビジネスマンを想定しているので原則的にはEvening Classだけです。

まとめると、North Rydeの「Day」と「Evening」、CBDの「Evening」の主に3種類があります。全く同じ科目でもどこで開催されるかによって、学生の層は大きく異なり雰囲気も大きく変わるので気にしておいた方がよいと思います。詳細は後述しますが、とにかく3つの場所があることを覚えておいてください。

 

(3)Weeklyのコースか、Blockのコースかという2つの分類

1科目を履修完了させるには10週間かかる。授業は一週間に1回なので、要するに1科目は10回の講義からなるということです。実はこのように一週間に1回づつ授業があるWeeklyコースの他に、Blockと呼ばれるコースもあります。Blockというのは、一箇所に固まっているという意味で、分かりやすい言い方をすればIntensive(集中)コースです。そして必須科目(Core)はWeeklyが中心で、選択科目(Elective)の多くがBlockで講義が開講されます。ちなみに、その他にOnlineコースというWebベースのものもありますが、開講されているコースも少なく、少なくても私は利用したことがないため、ここではWeeklyとBlockについてだけにもう少し説明したいと思います。

まず驚きなのは、Blockの場合、全部でたった5日間だけで講義が終わるということです。通常のBlockの構成は、どこかの週の金曜日、土曜日、日曜日(3日間)と1週間あけた次の週の土曜日と金曜日(2日間)の合計5日間というものです。その代わり、1日の講義時間は倍になります。DayとEveningコースはそれぞれ5時間ですが、Blockになると9:00から18:00で合計10時間の講義が1日で行われます

まとめると通常は1つの科目に3ヶ月(10週間)かけて学んでいくが、たった5日間で全ての講義が終了する場合があるということです。私も最初はかなり驚きました。この驚きの理由を分析するとこうなるのではないだろうか:①じゃあ3ヶ月のうち、残りの大半の日にちは何をすればいいのかということ。②通常3ヶ月かけるような講義を5日間でやっても授業の質は保たれるのかということ。そして実際、こうした問題が生じます。この辺りの質問にも徐々に答えていくとして、簡単にまとめておくと、「だからこそ予めすスケジュールを自分でしっかり管理しておかないとMBAで無駄な時間を過ごすことにもなりかねない。」と言うことです。まずは、Blockコースというものがある、ということだけ把握しておけば大丈夫です。

 

(4)成績の仕組み

さて学生が一番気になるものの1つが成績です。1つのTermが終わると、履修している科目ごとにMark(点数)が100点満点で発表されます。一番いい成績がHD(High Distinction)で、落第のF(Fail)まであります。詳細は以下の表をご覧ください。ちなみにFailの1つ上のP(Pass)以上がクリアであり、Failの場合には再度同じ講義を履修し直さなければいけません。ということは再度3ヶ月の講義を受け、さらに追加で授業料約50万円がかかるのということです。特に成績が重要になるのは、今後転職をして新しい会社に行く人。またインターンシップなど一部のプログラムはGPAの高い人から採用されるなどの仕組みがあります。ということで、もちろんよい成績で卒業することに越したことはないが、最低でもPassは獲得できるよう頑張る必要があります。

GradeNumerical GradesGPA
HD (High Distinction)85-1004
D (Distinction)75-844
Cr (Credit)65-743
P (Pass)50-642
F (Fail)0-490

 

(5)実際にどういった課題やテストがあるのか?

次に100点満点の中身、つまりどのように課題やテストで点数が付けられているか説明したいと思います。実は内訳は各科目でばらばらというのが正直なところですが私が一般的に多いと感じるパターンはだいたい次のようなものです。

「点数評価方法の一例」

個人のレポートやエッセイの課題:20点

グループの課題(レポートやプレゼンなど):40点

期末試験: 40点〜50点

合計:100点

私が今まで受けてきて思うのは、とにかく期末試験の配分が極めて高いことです。稀に期末試験がない科目もありますが、ある場合には40%か50%の配分がなされます。つまり、期末試験で良い点数が取れないと、いくらグループワークがうまく行っても、あるいはプレゼンが上手くできても成績は上がらないということです。期末試験は通常3時間の筆記試験です。参考書を持ち込めるOpen bookという形式と、持ち込めないClosed bookという形式の2つがあり、Open bookの方が多いのがせめてもの救いです。これはMGSMに限った特徴なのか、オーストラリアのMBAについて言えるのか定かではないのですが、MBAといえば何となくグループでの課題解決や成果が重視される印象を持っているかもしれませんが、結果的には最後は「試験」が重要というのが実態です。

 

(6)Prerequisiteの仕組み

一部の選択科目では、それに先行してある特定の必須科目の履修を完了していないと、その選択科目を履修できない仕組みになっています。そして、先行して取らなければいけない科目のことを、「Prerequisite」と呼びます。この目的は、ある授業科目は必須科目で習う知識を土台にして、やや発展的な内容を扱う場合があるためで、履修計画を立てる上でその把握が必要になってきます。なお勘違いしている人もいますが、1年目は選択科目は履修できます。実際に1年目からコアと(履修可能な)選択科目の2つの科目を取っている人も見かけます。あくまでも一般的な流れとして、1年目に必須科目に注力し、2年目から徐々に選択科目も入れていく生徒が多いということです。

 

(7)1タームあたり何科目取れるのか?

前で述べた通り、MGSMでは毎Termで2科目履修するのが基本とされているが、これはあくまでも基本というだけど変更可能です。実のところ、1Termあたりに取れる科目数に制限はなく(多分)、多くすることも少なくすることもできる。私のある友人は、私費留学であり早めに帰国したいという目的もあって、1タームに4科目を同時履修していた。通常は1タームで2単位が基本であるが、多く取ればそれだけ卒業を早めることができる。MGSMは2年間のコースと言われているがそれはあくまでも基本ペースで履修した場合であり、卒業を早めることは可能です。ただその場合には課題等の負荷がかなり大きくなる。逆に1タームに1単位だけでもOKだ。どうしてもある特定の時期に、起業のための準備に費や、自身の趣味や夢の実現で異なることを勉強したい、という計画がある場合には計画的に履修数を調整すると良い。まとめると、最終的に2年間で全16科目をどのような配分でとるかは自由に決められる。

 

(8)卒業単位である合計16単位以上履修することは可能なのか?

結論から言うと「可能」です。実際に私は、16+2=18科目とりました。ただしMGSM(MBAコース)の場合、追加できるのは「選択科目」だけで、最大で2科目までという制限があります。私が追加したのは、どうしても海外(オーストラリア以外)の大学でも学んでみたいという希望があり、勉強したい科目を履修していたらいつの間にか履修数の限界に達していた、という感じ。なお、追加した場合には、当然基本となる「1タームで2科目」以上のペースで科目を処理する必要が出てくるので注意が必要です。

 

(9)科目ごとに生徒数の定員があるのか?

実は、これも最初戸惑ったのですが、各科目で受講できる生徒数には上限が定められています。通常履修計画は「e-Student」というインターネット上のシステムを使ってそのTermが始まる前に登録するのですが、選択科目をクリックして確定しているのに、画面が先に進まない事態が発生。それで良くみたら、「オーバーキャパシティーで履修できません」という趣旨のメッセージが現れていたのです。その時には、そんなこと言われても、3ヶ月もの間、興味もない他の講義を受けて無駄に時間を過ごしたくもないし、どうしよう!という感じでかなり焦ります。ちなみに私も、私の友人も何度もこの定員オーバーを経験しています。この定員オーバーは「必須科目」ではまず起こらないのですが、「選択科目」で、特にそれなりに人気のある授業や、その年に1回しか開講されないような授業の場合、結構高い確率で発生します。基本的な対処方法は、「選択科目の履修は早めに済ませておく!」につきます。登録は早い者勝ちだからです。個人的には1つ前のタームが始まったくらいの時点で、既に次のタームの履修を済ませておく位がよいと思います。なお、次の年の年間履修計画が発表されるのは毎年10月末頃なので、その時点で来年の履修計画を確認して、人気になりそうな科目を早期にチェックして、すぐに押さえておくとかなり安心です。

 

(10)人気になりそうな(定員オーバーになる可能性が高い)科目の特徴は?

そもそも定員オーバーになる、つまり人気になりそうな科目というのは実はだいたい見当がつく。1)まず単純に授業内容が面白そうなもの。あなたがみて勉強してみたいと思う科目はだいたい他の人も同じことを考えている。2)次に開講頻度が少ないもの。場合によっては年1回しか開講されない科目もあり自ずと受講生が増えて、定員が溢れる可能性が高い。3)そして3つ目に、期末試験がなくレポートなど課題の負荷が少なそうなもの。残念ながらある意味で人気になる可能性は高い。これらの科目は、特に早めに履修登録を完了させるよう心がけよう。

 

(11)定員オーバーの場合の対応

先ほどの続きですが、選択科目の履修が遅れてしまい、全項目で述べた「オーバーキャパシティーで履修できません」という趣旨のメッセージが現れてしまった場合、どうすればいいのか?実は諦めるのはまだ早いです。次にとるべき手は、「Waiting list」に入れてもらうこと。実は講義が始まって最初の2週間目までは、履修を検討したり変更できる期間に位置付けられているため、とりあえず講義に出てみて自分に合っているか確かめ、場合によっては履修を解除(Withdraw)する生徒もいる。そのため、もし「Waiting list」に入ってれば、人員に空きが出れば、基本的にはそのリストの順番に履修できる可能性がでてきます。簡単に言えばキャンセル待ちですね。私の場合、何度もダメもとで「Waiting list」入れてもらったことがありますが、結果的には運良く、すべての科目で履修ができました。なお、Waiting listに入れてもらうためには、事務の受付に直接行ってお願いするか、メールで依頼します。

 

後編につづく!

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