前田建設ファンタジー営業部NEO

「前田建設ファンタジー営業部NEO」
好き度:?  入手法:借りた

未来の鉄道を本気でつくるプロジェクト

前田建設という実在する建設会社(ゼネコン)が、
本気で銀河鉄道999(の橋脚上下部)を作るためにはどうすればいいのかを
語っている本。内容はすべて対話形式になっていて、部長や主任、職員らが
打合せをしている感じでストーリーは進行する。
僕が今まであまり触れたことがない感じの本だね。

ゼネコンの価値

今、ゼネコンといったら何か悪いことをしている!
なんて印象を持っている人も多いんじゃないのかな。でも、それよりもっと気になるのは、
ゼネコンって道路やトンネルをつくって、将来のために街や空間をつくる組織のはずで、
そして確かに今までそうした大きな期待にこたえてきたはずなのに、
最近そんな期待がめっぽう下がってきているって感じること。
これって、なぜだろう?
僕の勝手な考えだけど、これはきっとゼネコンへの期待が
昔に比べて相対的に低下しているからだろうって思ってる。
そう、つまり今や日本ではインフラの整備がかなり進んで、
人々は一定程度に高いインフラ水準にすでに慣れているからね。
そうなると、当然求めるインフラのレベル(豊かさのレベル)は
昔に比べて相当上昇しているはず。って考えると、ゼネコンが今まで通りの(レベルの)ものを
作っても、人々は満足しないってわけ。まあもちろん、
人は常により高い豊かさを求めているのだから、そう思うのは仕方のないことだろうけど。
じゃあ、ゼネコンで頑張ってる人のモチベーションって??って、ちょっぴり心配に思うけど、
きっとそんな心配はいらないんのかな。
だって発展とは、今までの価値があったことやものの価値を下げる行為な気がするから、
ゼネコンへの期待が低くなっていることは、日本社会が発展を遂げたことの裏返し。
そう、だから悲しむことも全く必要ないってことになるよね。きっと。
例えば、電話なんて無かった時代には、電話ができることの価値はすごい高い。
でも、いざできてしまえば当たら前のことで、おそらく価値は一気に下がったはず。
車や電車、電話やインターネットも今や当り前の環境で、それを利用するたび、
価値を感じている人はそう多くはいないんじゃないかな。
むしろ、僕に至ってはネットがつながらなくなって怒ってることの方が多いような気もする。
ゼネコンに注文を言いたくなるのも、これと同じなのかもね。
あくまでここまでの話が本当ならだけど、
ゼネコンの存在価値は、日本の経済の発展に伴って下がって当り前のことって結論になるよね。
むしろ下がっている現状は喜ぶべきことだったのかもしれない。

ゼネコンが夢を目指す

でも、当たり前って思われるのは、やっぱりちょっぴりさみしいかもね。
ゼネコンに限らず、もはや当たり前の存在のものを運営したり、作ったりしている人って、
どこかに、やっぱり人に喜ばれるものを作りたいって思いがどこかにはあるだろうから。
そして、ゼネコンも次の価値を創造したり見つけに行く時代に入ったのかな。
今までは、国や自治体から受注してつくるって作らなきゃいけないものを
作ってれば良かったんだろうけど。
事実最近は自ら提案して、企画からの取り組みに参加しているケースもあるみたいだし。
そう、つまり次にゼネコンが目指すのが「夢の街」なのかもしれないね。
映画の中に出てくるような車が空を飛んでて、超高層ビルが並んで….みたいな街、
これはまさに夢だし、実現していないから価値は当然最高に高いレベルにある。
それに本気で挑むことを、バーチャルで実現してるのがこの本なのかな。
事実こんな本を作ってること自体が、ゼネコンのそんな気持ちの表れなのかもしれないな。

そういう意味では、ゼネコンはまだまだ下げるべき価値をいっぱい持ってる
会社なんじゃないかなって思ったりする。

投稿者 Yuasa Tomohide

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